奇々怪々 お知らせ

ヒトコワ

大鷹恵さんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

ある集落から来た男の子
長編 2025/10/01 21:54 1,778view

これは僕の行きつけのゲームショップの金髪ロリ店長が小学5年生の時に体験した怖い話だ。夏休み中、金髪ロリ店長はよく、レンタルビデオ屋に通い詰めていた。1980年代のビデオバブルの頃にリリースされていたであろう、100円の旧作ビデオばかり、借りていた。当時、小学5年生だった金髪ロリ店長はタンクトップとホットパンツで来店していた。金髪ロリ店長は「スペースバンパイア」「スペースインベーダー」「グローイングアップ/ラストバージン」「地獄のデビルトラック」「バトルランナー」を借りた。会計を終えて店を出るとき、背後に人がいる気配を感じた。後ろを振り返る。後ろには金髪ロリ店長と同い年と思われる男子(要は小学生ぐらいだ)であった。
「なんなん?キミ」
男子はジーとみる。気になった金髪ロリ店長は
「キミ、うちらの地区の子じゃないね。どこの地区の子なの?」
「J地区」
J地区とは金髪ロリ店長や僕の住んでいる地区とは違い、かなり山間部にあるところであった。僕の父が言うには
「あんま、J地区の連中とは関わらん方がええ」
「あいつらはよそ者だけでなくカウンターカルチャー的な考えを持つ奴にはめっちゃ厳しいけえ。絶対行くなよ」
と連絡が来るくらいだ。要は地元住民も関わり合いを持ちたくない、ここは19世紀か!と思うくらいの保守的かつ閉鎖的な集落である(役所や消防、警察、教育委員会もあまりこの地区には関わらないようにしている)。

「キミ、一人なの?」
男子の答えはイエスである
「レンタルビデオを借りに来たのか?」
答えはノーであった。
「テレビゲームとかするの?」
答えはノーである。なお、金髪ロリ店長は当時、セガサターンを所有していて、「古伝降霊術 百物語」「YU-NO」「EVE burst error」「エネミー・ゼロ」にハマっていた。余談だが金髪ロリ店長は「YU-NO」は「ひぐらし」の先祖にあたるゲームだからやれ!と僕に勧めていた。
「うちの集落の友達はテレビやテレビゲーム、漫画、ラジオとか持っていない」
男子はぽつりとつぶやく。なお、僕もこの話を聞いた時
「どんだけ、時代が遅れてんのよ」

とほざいていた。金髪ロリ店長は
「ここ、暑いから私んちこない?冷房とかあるから」
「冷房って何?」
金髪ロリ店長は思わず舌打ちした。金髪ロリ店長は自宅兼ゲームショップに連れていく。金髪ロリ店長の部屋に入る。男子はきょろきょろと部屋を見渡した。どうやら、金髪ロリ店長の部屋の物(お下がりのテレビ、セガサターン、エアコン、CDプレーヤーとCDアルバムや漫画や小説といった書籍)自体がほとんどが珍しかったらしい。僕曰く
「そもそも、金髪ロリ店長の部屋って僕の部屋と変わらないじゃない?それが珍しいって。その男子、いやそのJ地区の子たちってどういう生活しているのよ?」
と思った。金髪ロリ店長は思いついたように
「今からキミにいい事してあげる」
金髪ロリ店長はタンクトップとホットパンツ、下着を脱ぐ。男子を裸にして、ベッドに寝かす。僕は慌てて
「あ、そこはR18に引っかかるからカットして」
と告げる。なんせ、僕は金髪ロリ店長に怖い話をさせると唐突にエロネタをぶち込んでくるを知っていた(田沼雄一郎のSEASONのヒロインか!と思うくらいであった)。学校の怪談ならぬ学校の猥談である。

1/2
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。