一方、K大学の教授はというと、京都市内にあるスターバックスにて、四国在住の男性(年は58歳である)と会話していた。スターバックスには男性の車と思わしき、ラングレーが停車していた。その男性は四国をまたにかけて「10年位ドラゴン倒したり、スライム倒したり、女とチョメチョメしたりと忙しい冒険生活送ってた」と語る。つまり、冒険生活=放浪しているという事になる。ちなみに男性は10年くらいと言っているが、実際は40年くらいだと思えばよい。教授は男性の事を判断した。
「こいつは間違いない。解離性障害の患者である」
男性はぺらぺらと四国での冒険話を続ける。男性は
「実はだね。京都に俺の姪っ子が住んどんねん。姪っ子はうら若き女子高生やねん。その子に「ハカソヤ」という女性を護る御守りを渡したんよ」
と語る。男性に話に相打ちを打つ教授はとある疑問に思った。菫子から聞いたアニスの話と似ているのだ。だがちょっと気になることがある。アニスに「ハカソヤ」を渡したのは女性のはずだ。
「あの「ハカソヤ」を入手した話なんだけどな。四国のとある部落に入ったらそこは黒人たちのコミューンだったんよ。俺は昔から黒人が嫌いだったから、部落に住んでいる黒人たちを皆殺しにしたねん。あの部落の黒人たちは「ハカソヤ」を近隣住民に押し売りする迷惑極まりないモンスター共だったんだよ、いや、マジで。「ハカソヤ」はその時の戦利品や」
男性はニヤリと笑う。男性は教授に輝かしい武勇伝=犯罪行為の数々を語る(経験値稼ぎで通行人を襲ったり、民家に侵入して現金を奪ったり等、RPGなら許される行為を現実世界で行っているのだ。良い子のみんなはマネしちゃ駄目だよんw)。その間、教授はICレコーダーで男性の悪行三昧を録音する。教授は質問する。
「どうやって、姪っ子に「ハカソヤ」を渡したんだい?」
「女装して渡したんだよ」
「姪っ子の名前は?」
「徳間アニス」
後日、菫子はアニスは例の男性の事で確認をとってみたところ、
「いや、私にはそんな親戚はいない」
と返答が来た。つまり、男性が
「徳間アニスは俺の姪っ子」
というのは解離性障害を患っている男性の妄想だったのである。なお、男性は教授の通報によって、警察に逮捕されたのは言うまでもない(いうまでもないが、亭主の知り合いの日産・ラングレーを盗んだのも男性の犯行である)。余談であるが、「ハカソヤ」を貰ったアニスとリヒターは今のところ、異変がないそうである。それはリヒターがヤリチン、チャラ男、スケコマシでなく誠実な男であるという証明でもあるのだ。
終わり


























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