実際に体験した出来事。
高校2年生の頃、ドッペルゲンガーらしきものの被害を三回、受けたことがある。
一回目は確か夏前。停学処分になりかけた。
ある日、校内放送で呼び出され職員室に行くと、「お前、日曜に○○駅前でバイク乗ってただろ」といきなり詰められた。
校則でバイクはNG。だけどもちろん俺じゃない。
○○駅なんて自宅とは逆方向だし、行く用事もない。そもそも俺はバイクも免許も持ってない。
ということを必死で説明しても「嘘つくな。声かけたら逃げただろう」と信じてもらえず、保護者呼び出しでの事実確認まですることになった。
その日は親の買い物に付き合っていて一日中家族といたことを家族が証言してくれたおかげでお咎めなしとなったが、本当に焦った。
二回目は秋ごろの放課後。
文化祭が近く、生徒会役員だった俺は他の役員と一緒に夜の7時頃まで学校にいた。
そろそろ帰るか、となって生徒会室を出たわけだけど、一人の女子が「トイレに行きたいけど暗いから怖い」と言ったことで、職員室に鍵を返しに行った俺以外のメンバーがその女子を待つことになった。
鍵を返し先生と雑談していると、職員室に入って来た先輩が俺を見るなり怒り、「お前くだらないことするなよ!」と俺を怒鳴りつけてきた。
何のことかわからない俺と先生。
話を聞くと、女子のトイレ待ちの間に雑談していた先輩たちは、廊下の端にある非常階段前で手を振っている俺を見たらしい。
ビビらせそうとしてるのか?と止めるよう言っても手を振るのをやめない俺を放置して職員室に来ると、なぜか先に俺がいて(ちなみに生徒会室は3階、職員室は1階にあった)びっくりしたと同時に怒りが沸いてきたらしい。
俺は当然そんなことはしていない。
先生と5分ほど喋っていたことを話すと、トイレを怖がっていた女子が泣きだして大変なことになった。
三回目はそのすぐあと。
昼休みに生徒会顧問の先生+友人の女子(生徒会の子とは別)と話していると、女子がトイレに行くから待っててと言って離れていった。
トイレ前で待つわけにもいかず少し離れた廊下で先生と待っていると、女子がトイレから出てくるなり俺にビンタ。
あまりにいきなりの事で思考停止した俺に、女子は「女子トイレ入って来るなんて最低!」と怒った。
俺が何か言う前に「いや、ずっとここにいたぞ!いきなり何してるんだ!」と先生が切れた。
女子は「じゃあノックしてきたの誰!?俺君の声でずっと「おーい」って!」と半泣き。
同じ廊下にいた他の生徒の証言もあって俺への疑いは晴れたけど、ビンタされた頬は痛かった。
その後は「俺じゃない俺」は出現することはなく無事に卒業できたけど、あれは何だったのか…という、碌なことをしない俺もどきに振り回された不思議なお話。























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。