大人になってから聞いた話で、理由も伝わってないのですが、お妾さんは子どもをその手で殺めた後、彼女も自ら命を絶ってしまったそうです。
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私の頭を撫でていた優しい手は、きっとそのお妾さんだったのだと思います。
彼女の子供との思い出と、その終わりまでを、私は追体験していたのかもしれません。
そして最後に首を絞められていた時に聞こえた「ゔううー。ゔあああー。」という声。
今思い返してみるとあれは唸り声ではなく、涙をこらえきれない嗚咽だったのではないか──。
そう思いたいのです。
私を撫でてくれた冷たい手は確かに優しい手でしたから。
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少し悲しい切ない感じ