——え? これ、演技……?
それとも……
『犯罪者はね、自分が“本物になった”と信じているんです。そう信じきれば、誰も気づかない。誰にもバレないってのが分かっているんでしょうね。』
田村と呼ばれた男が、画面越しにそう語った。
その言葉に、バーにいた“偽警官”たちは歓喜の声を上げた。
——なにこれ。
——こんなのおかしい。
——私は、ただスリルが欲しかっただけなのに……。
───
私はプリンを買って家に帰っていた。
残業で疲れた自分へのご褒美だ。
家まで、あと5分というところ、
「はーい、ストップ。お時間、いただけますか?」
職質だ。
ため息をつきながらバッグに手をやる。
そのとき、ふと警官の制服に目がいった。
安っぽい質感。ペラペラの布。
なるほど。
私が思っているより“同業者”は多いらしい。
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