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コインランドリーに着き、備え付けのベンチに座った瞬間、安堵したのか睡魔がまた襲ってきた。もう管理人に注意されても良いので横になり、ここで眠りについた。
翌朝、硬いベンチで目を覚ました私が、やる事は一つ「引っ越し」だ。
幸いにもその日は休日で、アパートにそんなに荷物は多くない。
引っ越し屋を手配する時間すら惜しかったので、近場でレンタカーを借り、荷物は実家に運んだ。
アパートから実家まで片道50キロ、大型家電のせいで2往復したが、まぁ必要経費だ。
あの「ともや」と書かれた袋は、いつの間にか無くなっていた。
管理会社に退去の連絡をし、引き渡し日は3日後になった。それまではネカフェで過ごした。
引き渡しの日、管理会社から
管理会社「急にどうされましたか?何か・・・この物件に問題がございましたか?」
と聞かれたので、「いや・・・特に何も・・・急に仕事の都合で・・・」と噓を付いた。
あんな話・・・どうせ信じてもらえない・・・。
今は線路が近くにない、職場から少し遠いアパートを新たに借りて現在に至る。
以前に比べれば不便だが、怖い思いするよりずっと良い。
あの件が何だったのかは今でも分かっていない。
しかし私は今回学んだ。「近くに線路や踏切が有るから賃料が安い」とは限らない。
それ以上の「何か」がそこには有るのかもしれない。
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