意外にもすぐにメッセージが飛んできて、26歳のパチンコ屋店員と会うことになる。で、食事をしたあとホテルに行ってから別れる。
30代の私でも歳下の男たちは興奮するんだなーとか感心したけど、でもそれは私が彼らの喜びそうな甘い言葉とかエロトークを駆使したからだろうなってことに気づき、それからなんとなく私は何人もの男性とマッチングして、身体を重ねていく。
10人くらいまでは数えてたけど、20人くらいからもう人数なんてどうでもよくなってて、知らぬ間に私の身体は性病をいくつも抱えてしまっていた。
クラミジアは知ってたけど、HPVと梅毒もキャリアになってしまった。
でも私はマッチングしまくる。
ヤリモク男はどいつもこいつも頭が悪いから、ゴムしないでいいよと言うよ嬉しそうに腰を振り出す。
まあ、自業自得ということで。
妊娠だけ気をつけながら私は世の男性に快楽と性病を振りまいていると、年に一回の健康診断でガンが見つかる。
正確にはその後の精密検査で子宮がんが発覚して、勧められるままに手術する。
で、無事に成功したけれど、翌年リンパ節に転移していることが発覚。
5年後の生存率は3割くらいだってさ。
クソウケる。
夫は泣きながら絶対最後まで諦めないとか何があっても支えるとか言うし、息子は俺がママを守るとか言ってる。
やっぱ男って馬鹿だな。馬鹿でロマンチスト。自分の言葉に酔ってるんだろうな。
でも私は生粋の外面の良さをここでも発揮してしまうので、「ありがとう。二人がいてくれて心強いよ」って心にもないことを薄幸の笑顔を浮かべながら言う。
その後二人とも有限実行とばかりに私のためにあれこれ頑張ってくれてて、やっぱり暇になった私はマッチングアプリで男を探してセックス。
放射線も化学療法も全部やめた。吐いてばっかりなのが嫌だったし、病院に通うのも正直だるかったから。
背中の重さだけでも結構しんどかったのに、下腹部とか色んなところに痛みや浮腫みが出始めるけど、それでも私は男と出会いまくる。
でも半年くらいしてから、いよいよ気軽に出歩けなくなるくらいにつらくなってしまい、スマホを持つ手もだるくなってしまう。
ベッドで寝てばっかりの生活になって、私は私の人生をなんとなく振り返る。
私がこれまで出会った人間は馬鹿ばっかりだったな。
特に男はみんな馬鹿だった。優しくしたり性を匂わせたら簡単に籠絡できるんだから、ほんとに馬鹿過ぎるよなー。
馬鹿な人間を揶揄うことで、私は自分の賢さを実感してきたんだ。
多分40歳まで生きることはできないだろうけど、こんな人生も悪くなかったって思える。
あーあ、ほんと、クソウケる。






















この人、死ぬのは怖くないのかな?
ほんまにそう思う