でもやっぱり見つからなくて、私は息を切らしながら「絶対潰してやるからな!」って大声で威嚇する。でも言葉を理解してなかったら威嚇にもなってないよなってちょっとだけ冷静になったりしながら、また部屋をウロウロして、ちょっとした隙間とかを覗いたりうちわで扇いだりしてみる。
気づけば2時間経過。時刻は午前1時過ぎ。明日は6時に起きる予定。
まだ5時間ある。あと1時間で見つければ4時間は眠れるんだっていう私の算段とは裏腹に、結局朝まで見つけることができず、その日は眠らずに大学に行く。
目の下のクマも凄くて、メイクじゃ隠せないくらいに真っ黒だったけど、もうそんなのどうでもよかった。
ちくしょう、あの蚊のせいだ。
めちゃくちゃ眠かったけど、でも気合で乗り切った。気合というか、怒りかな。復讐心みたいな感情を抱いていたし、どうしても許せなかった。
で、その日の夜もまた奴は現れる。
プーン。
……いや、昨日の蚊とは別の奴かもしれないけど、でももうそんなのどうでもいい。
私は飛び起きて、部屋中を探す。
いない。でも見つけるまで寝ない。絶対に。あいつを殺すまで寝ない。
探し始めて4時間が経った頃、ピタっと顔に何かが付いた感覚があった。
鏡を見たら、小さな黒い点。蚊だった。
「……」
ぞくぞくっとした。やっと復讐が果たせる。積年の恨みを今、ここで。
私は興奮を抑え、動悸を抑え、冷静に、慎重に、右手をスタンバイさせる。
絶対逃さない。チャンスは一度。
パチン!
……やったか?
そ〜っと手を離して手のひらを確認してみる。
「……なにもない」
逃がした……くそ! なんで! タイミングバッチリだったはずなのに!
で、結局その日も朝まで見つけることができずに不眠。
目の下のクマはもうなんか穴みたいになってて、自分で見ても引いちゃうくらいにはっきりとしてたけど、でも私は大学を休まない。
友達からは心配されたり笑われたりもして、でも私はそれを意に介さない。私の心はもう復讐心で充たされているのだから。
で、その日の夜も昨日と同じだった。
パチン! パチン! って何回も何回もこの手に捉えたつもりだったのに、全然捕まえられない。全然殺せない。
怒りは頂点に達してたし、私のクマも更に黒さを増した。
流石に3日目になると、誰も私の顔を笑わなかった。
というか、笑えなかった。





















飛蚊症という病気があります。眼科に行くのはどうでしょう?
もう病気やんこれ
↑あと耳鼻科に
精神科を受診すべきでは?