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俺は、白い手ぬぐいを持って、日向宮司の神社を訪ねた。
だが、彼の神社は数ヶ月前に火事で全焼していた。
本殿も、文献も、そして彼自身の遺体も見つかっていない。
それを聞いた瞬間、俺は悟った。
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“喰い守”はまだこの世に在る。
ただ眠っているだけで、いつかまた、「四人目」が来るのを待っている。
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俺は今、都内のアパートで暮らしている。
白い手ぬぐいは、燃やすことも埋めることもできなかった。
ときどき、夜中の3時33分に、部屋の中で“しゃん……しゃん……”という鈴の音がする。
けれど、俺はもう振り返らない。
「神に見られた者」は、ただでは済まない。
それだけは、確かだ。
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でも、もしこの話を読んでしまった君が、
3人の友達と一緒に、あの村に足を踏み入れることがあったら――
そのとき、“喰い守”は、きっと目を覚ます。
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「見たな」
「聞いたな」
「なら、喰われる番だ」
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