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呪い・祟り

久保隆さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

じゃあ、しょうがないな
短編 2025/07/19 09:20 1,934view

呼びかけにも反応しなくなったリュウを、ふたりは気晴らしに誘った。

「バイク乗ろうぜ。海まで流そう」

ツーリング中、リュウはほとんど口を開かなかったが、風にあたって少し落ち着いたようにも見えた。

だが、海岸線のトンネルに差しかかったとき──リュウの体がビクッと震え、バイクが突然転倒した。

「おい、リュウ!!」

叫んだが、すでに遅かった。
リュウは数メートル跳ね飛ばされ、壁に激突していた。
即死だった。

翌日、制服姿の男がふたりのもとを訪れた。

生活安全課の大西刑事。地元では顔見知りの、“見逃してくれるタイプ”の大人だ。

「バイク事故だったって聞いたけどよ、……何かあったか?」

「いや、急にって感じで……ただ、あいつ、ちょっと前から様子がおかしくて」

ミホが言葉を濁すと、大西は小さくうなずいた。

「……お前ら、あの廃病院、行っただろ?」

カズが驚いて目を見開く。

「なんで知ってんスか?」

「…行ったんだな?」

「…まぁ、行きましたけど…」

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