言葉を探すように、刑事は天井を見た。
やがて小さく、誰にも聞こえないくらいの声でつぶやいた。
「……じゃあ、しょうがないな」
それっきり、大西刑事は何も聞かずに帰っていった。
そして、リュウの部屋で見つかったボイスレコーダーには、繰り返しこう記録されていたという。
──「返してください」
──「返してください」
──「返してください」
<<了>>
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