けれど小野の執念はそれだけでは終わらなかったのです。
最後にメールが来てから半月ぐらい経ったある日、家でテレビを見ていた私の携帯に登録してないメアドからメールが届きました。
「今〇〇町のコンビニにいるんだけど洋子ちゃん家ってこの辺だよね?今日仕事休みでしょ?どっか遊びに行こうよ!(^O^)/」
小野からのメールでした。
小野は私の家から数百メートルと離れていない所まで来ていたのです。
一体どうして?どうやって調べたのでしょう。
私は驚きと恐怖でしばらく固まってしまいました。
とにかく携帯を握り絞めて急いでメアドも変え、家から一歩も出ずにこの家がどうか見つかりませんように!!と祈ってました。
今思えば友達に来てもらうとか、親に電話するとか色々対策はあったんですが、情けない事にそんな事も恐怖でわからなくなっていたのです。
幸い小野は私の家までは来なかったのですが、最後に最大の恐怖が私を待っていました。
メアドも変えたおかげか、それから一切音信も無くなったので私はいつしか小野の事も忘れかけてました。
たまに思い出しては先輩と、
『本当にあいつ、ヤバすぎ。洋子も災難だったね。あんなやつだとは思わなかった。』と話のネタにするぐらいでした。
(先輩は私と小野を引き合わせた事を本当に申し訳ないと言ってくれました。)
そんなある日、先輩と一緒に休憩していた時の事です。
先輩が携帯を見て急に曇った表情になったのです。
「…どうしたんですか先輩?」
「う?ん…今日朝からずっと知らない番号から無言電話掛かって来てるんだよね?。
着信拒否にしてもまた別の番号で掛かってくるし…。何なんだろコレ。」
「そうゆうの、ビシッと言った方が良いですよ?私代わりましょうか?」
「うん、ゴメンね。」
私は先輩の携帯の通話ボタンを押し、電話に出ました。
案の定電話の相手はずっと無言です。
私「もしもし?もしもし!」
相手「………………………。」
私は頭に来てその相手を怒鳴りつけました。
「テメーさっきからしつけーんだよ!!名乗れやコラッ!!」
「………やっと出てくれたね、洋子ちゃん。……………元気?」
しわがれた、小野の声でした。
思わず私は先輩の携帯を投げてしまい、身体の震えが止まらなくなりました。
その後はもう先輩と二人で半泣きになりながらその日のうちに一緒に携帯を変え、
先輩は小野の友人に、小野にもうこれ以上私に関わらないように説得してもらいました。
それからというもの、小野からの音信はピタリと無くなり、
私も怯えずにすんだのですが元からあまり男性と関わるのが好きではなかった私は更に輪を掛けて男性不信になり、
ストレスで大量に髪の毛も抜けてしまいました。
繋がりは携帯電話だけなのに、あんなにも人というのは誰かを追い込む事が出来るんです。本当に怖かったです。
ここまで読んで下さった方々、ありがとうございました。























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