このお話は私が経験した事です。
当時はバブル景気というのですか、社員が休みなしで働き、高給取りでしたが
働き過ぎで休みが取れず、金ばかり貯まるのです。休日の土日も働きながら
私なんかは「電卓が叩けなくなる」(何度も計算ミスする)と、翌日休むみたいな
働き方してました。いつものように夜の九時頃に呼び出しを受けて取引先の会議に
出席して11時頃にようやく終わりまして、会議の片付けを手伝い担当者と二人
になり、会議室の電気を消して9階からエレベーターに乗ったのです。
さすがにこの時間は社員さんも全員が退社している時間です。
エレベーターには私と担当さんの二人だけでした。
下に下がる重力を感じながら階数表示のランプを見ていたのです
突然、重力が緩くなり「ピン」と音がしてエレベーターが5階で止まりました
すると後ろに居た担当さんが「開いたらすぐ閉めて」と言うのです。
(え?・・だって5階で誰かがエレベーターのボタンを押したから止まったんでしょ)
と思いましたが、エレベーターのドアが開いたんですよね。5階のフロアが真っ暗
なんです。フロアの電気を消してからエレベーターのボタン押した人がいる。とも
考えたのでちょっと閉めるタイミングを計りかねました。
暗闇から社員さんが飛び込んで来て「おつかれさまでーす」と来るかもしれないし
「早く 閉めて」と後ろから担当さんが言うんですよ。
「はあ」と閉のボタン押したんですが、おかしな事にグッグッて扉が重いような
感じで開いた時よりゆっくり目に閉まり始めるのです。
(なにか挟まった?)と下を見ても何も無い。上も別に紙とか挟まってないし
故障か?と思うくらいゆっくり閉まっていくのです。扉が閉まってエレベーターが
動き出したので担当さんを振り返ると目を瞑ってるんですよね。
「なんですかね?」と聞いたら目を開けた担当さんが「時々あるんだよ」と
気持ち悪いから自分一人の時は停まる時に閉ボタンに指おいて開いた瞬間に目を瞑って
連打してるんだと。「人がいたら気まずくなりません?」と聞くと「居ないよ。五階は
定時退社の決まりだから」「へえ」と話題はこれで終わったんですけど
実のところはノイローゼになった五階の社員が夜に飛び降り自殺した事が原因で五階の
部署は定時退社奨励に変わったと言うのが真相なんです。
その飛び降りた社員が飛び降りる寸前に上司に携帯で電話して来た内容が






















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