「そんなビビんなよ!すぐ出るから」
「うわぁ!」
Bに文句をつけていたCの座っている助手席側のガラスが突然動いた。
真っ暗闇の車内でCが叫びカチカチとパワーウインドのスイッチを動かしてる音が聞こえる。
「あはははは!お前ビビりすぎなんだよ」
Bが笑いながらメインスイッチの方で助手席側のパワーウインドを更に下げた。
「お前マジでふざけんなよ!早くエンジンかけてライト付けろよ!」
「そう焦んなって。お前そんな怖がりだったっけ?」
BがCを笑いながらなだめているとAが割り込んできた。
「おいちょっと静かにしろ」
その言葉を聞いて全員が一瞬黙り込んだ。
「なんだよA。急に」
「なんか足音みたいな音聞こえないか?」
私達は耳を澄ました。
ポチャン。ピチャピチャ。ポチャン。
天井から垂れた山水が水溜まりに落ちる音しか聞こえない。
ポチャン。ピチャ。ジャリ。ポチャン。ジャリ。
「ん?」
水の滴る音に紛れて砂地を踏む様な音が混じっている。
ピチャ。ジャリ。パシャ。
「おい早くエンジンかけろ!なんか足音聞こえるって!」
私は後ろから運転席の座席を叩きながらBを急かす。
恐らく全員聞こえたのだろう。車内がざわつき始めた。
カチャカチャ。
「おい!エンジンかかんねーって!鍵が回らねぇ!」
Bが焦りながら鍵を回している音が聞こえる。
「は?とりあえずライト付けろ!ライト!」
Aに促されてBがライトをつける。
再び照らし出されたトンネル内部を全身が凝視した。
「誰もいないよな?やっぱ気のせいか?」


























ザこわい話って感じ