懺悔の内容

それから少しして奇妙なことがわかった

同じ学年の全員が昨日までAがいたことを認識しているのに、どこにもAが写った写真がなかった

うちの学校は携帯は持ち込み禁止だった
だが、全員そんなものは守ってなかった
しかも、せっかくの修学旅行だ

全員持ってきていて、普通に寺巡り中もパシャパシャやっていた
先生もそこは黙認していた

当然、生徒たち船員がいろいろな観光場所で写真をとっているのだが、その中のどこにもAがいないのだ
同じ班だった連中の写真にもいなかった
間違いなく全員揃った状態で撮ったはずなのに

それぞれが撮った写真を見せ合い、やはりどこにもAがいないことがわかり、だんだんと騒ぎが大きくなってきた

やっぱりAは呪われたんだ
ここにいたら、俺らも呪われるんじゃないか？

軽くパニックが起きた

事態を重くみた先生たちは修学旅行を完全に中止し、急ぎ帰宅するということになった

結局、Aは見つからなかった
今でもわかっていない

おそらく、本当に呪われてしまったんだろうな

ん？　懺悔ってのはＡを助けられなかったことに対してかだって？

それももちろんある
Aがフラフラとホテルの奥に向かっているのを見つけた時、無理矢理にでも引き留めておけば助かったんじゃないかってあれから何度も思い返すさ

でも、違う

違うんだ

俺なんだよ
俺のせいなんだ

Ａが勝手に怖い話をして、それでとんでもない悪霊を呼んじまって、それで行方不明になったのならここまで後悔していない

俺なんだ
泊まる予定のホテルが曰くつきだってのは俺がＡに教えたんだ

俺はＡが気に入らなかった

Ａの話は全部とんでもなデタラメ話だ
何の裏付けもない
でも、奴は女子に人気だった
いろんなことを知ってるってな
全部デタラメなのに