それが気に入らなった
陰謀論とかは知らないけど、オカルトの知識なら俺の方が上だった
修学旅行で泊まるホテルが曰くつきってのは前から知っていた
一時期、そういうの調べていたからな
何十年も前に修学旅行生が本当に忽然に消えたんだ
失踪事件とか好きな奴なら有名な場所だ
俺はそれをわざとAに伝えた
そうしたら、きっとさも前から知っていたかのように語るだろうと踏んでな
案の定、俺から聞いた話とは言わずに言いふらし始めた
それで呪われたらいいと思ったんだ
デタラメばかりの奴が本物の怪奇に出会えたら本望だろうってさ
ちょっとしたイタズラだった
本当に呪われるなんて思わなかった
本当に行方不明になるなんて思わなかった
何より最悪なのは
謎の声が聞こえて、Aの様子がおかしくなった時
俺、マジで呪われたって
喜んじまったんだよ
マジできたってテンション上がっちゃった
フラフラとホテルの奥に向かうの止めなかったのも、もっとヤバいことになるのを望んでいたからだ
屋上に素直に上がったのも呪われたAが見たかったからだ
屋上で笑うAを見て、初めてヤバいことをしたって気づいた
でも、もう手遅れだった
Aはきっとずっとあのホテルの屋上にいる
最近、夢を見るんだ
何度も同じ夢を見るんだ
俺は屋上にいて、Aがいる
何もない空中に立っている
あの時とは違うのはAはずっと泣いているんだ
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