私は思わず後ろに飛んだ。
その姿を見て更に笑い声が大きくなり、トメコさんは立ち去っていった。
徐々に遠くなるトメコさんの笑い声を聞きながら呆然と立ち尽くしていた。
それから、私は中学生になり、放課後は部活動をするのでトメコさんの姿を見かけることは少なくなった。高校生になると、隣町の高校に通っていたので全く姿を見なくなった。
その後、大学、就職、結婚と月日が流れ、トメコさんのことをすっかり忘れていた。
10数年ぶりに故郷に妻と子供を連れて帰ってきた。
子供と近くの公園に向かっていると、前方から70才くらいの女性が歩いてきた。
すれ違いざまに子供と、「こんにちは」と言うと、「あら。こんにちは。久しぶりね。」と女性は言ってきた。
その瞬間、忘れていた記憶が一気に蘇り、
「トメコさんだ。」と確信した。
私は子供を抱いて、何も聞いていないふりをして急いで、その場を立ち去った。
角を曲がると、
「あははははははははははははははは」
と笑い声が聞こえてきた。
すぐに実家に戻り、帰る日まで家を出なかった。
そして、実家を出て、車で走っていると遠くにトメコさんらしき姿の女性がいた。その女性は立ち止まり、下を向いていた。
「あの人、何やってるのかしら?」
何も知らない妻は隣で呟いていた。
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きゃあ変人!!!!(ビンタ)