天然な友人

間一髪、友人は助かったのだ。

以上が友人から聞いた話。
一部始終を友人から電話で聞いた俺は多少はビビりながらも、友人に一言だけ、これからは気をつけろよ、そのお人好しさと間抜けさをって突っ込んだ。

1週間後、職場の同僚に、飲み会でこの話をしたら同僚は怪訝な顔を浮かべ俺に疑問を投げかけた。

「なぁ。それやばいんじゃねぇの？」

「ドアガチャガチャされた後物音しなかったんだろ？」

「その女、普通に隣住んでるんじゃねぇの？」

友人に電話した頃にはもう既に引っ越しの手続きを済ませたとのことだった。
抜けているのは俺の方だった。