背筋が凍った。
「なんだよ、急に」
「夢で見たんだ。小学生の頃、誰かにやられたって……最近、そればっかり思い出すんだ」
「……夢だろ、それ」
「そう、だといいけど」
⸻
ある日、ユウヤがふとこう言った。
「ねぇ、アキトって……あの大手企業に内定したんだよね? すごいね」
「知ってんのか」
「うん。ちょっとだけ聞いた。……でさ、タクトがちょっと前にアキトのこと羨ましいって言ってたよ。サユとも付き合ってるし、なんか…
“あいつには敵わねえな”って」
(……タクトが?)
「それで、同じところに応募したけどタクトは落ちたんだって。悔し涙を流すタクトなんて
久しぶりに見たよ。」
ユウヤはいつも通りの声で言った。
数日が経った後、サユとの関係もぎこちなくなり、タクトは目を合わせなくなった。
「お前、俺のこと避けてないか?」
「別に。俺、忙しいんだよ」
冷たく言い捨てるタクト。サユにいたってはLINEをしても既読すらつけなくなっていた。
そんなとき、講義後にタクトとサユがレポートを一緒に進めている姿を見た。笑い合っていた。タクトの笑顔は俺に向けられるものよりも、自然に見えた。
「アキトって、昔ちょっとやんちゃだったし……」
「無理しないでいいよ」
2人の会話が妙に耳に残った。
⸻
ある日、メールが届いた。
件名:【重要】内定取消のお知らせ
内容:貴殿の過去に関する通報と事実確認により……
膝が崩れ落ちた。
なぜ? 面接では何も言われなかった。履歴書にも、問題はないはずだ。けど――

























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。