「あの、お客様。ほかのお客様のご迷惑になりますので、お静かに願います!」
店員がドア越しに私に怒鳴った。気がつくとあいつは消えていた。
店員は部屋に入るとすぐに、部屋の中の惨状に目を丸くして驚いた。しかし状況をすぐ把握したのか、部屋の中の片付けを手伝ってくれて、退店まで送迎してくれた。帰り際に割引券を渡されたが、「もうここには来ない方がいい」とも言われてしまった。
あいつが体当たりする時、ドアのすりガラス越しに見えた姿は、この世のものとは思えなかった。でも、あれからあの本は見ていないので大丈夫だと思う。
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