娘が幼少期の時、数週間ほど入院することがあった。
妻が付き添いで一緒に病室に寝泊まりをしていた。
私が休日の時は妻と付き添いを交代したりしすという生活を送っていた。
ある日、私が泊まることになり妻と交代をし付き添うことに。
その頃は個室から4人部屋に移動となり、2、3歳くらいの子と娘と同じくらいの子などがいる病室でそれぞれ、親が付き添っていた。
昼間は小さい子供がいるので賑やかだが夜になると静かになり病室の全員が就寝していた。
夜中に目が覚め、時間を見ると2時30分頃。
慣れないベッドのせいかなかなか寝付けなかった。
すると、部屋のドアが静かに開き誰かが出て行った感じがした。
他の親がトイレにでも起きたのかと思い、さほど気にしなかった。
トイレは部屋を出てすぐ隣。
私がいたベッドはトイレとの壁を挟んで隣にあったが物音一つしなかった。
「みんなに気を使って離れたトイレに行ったのか」と思った。その後、しばらく寝付けなかったが出て行った人が戻る前に私は寝てしまった。
そして、次の週末にまた私が寝泊まりすることに。
基本的にカーテンで仕切られていて、病室内は話声だけが聞こえている。
動画を見てる子、親と話をしてる子、本を読み聞かせている親の声。
夕食を食べて、徐々に寝る準備をそれぞれしていく。
さっきまでついていたテレビが消えたり、話声が聞こえなくなったり。
私も娘と寝る準備をし、ベッド上のライトを消して就寝することに。
そして、また夜中に目が覚めた。
時刻はまた2時30分。
すぐに寝ようと思ったその時、病室の入り口が静かに開いた。
「また。誰かがトイレか。」
そう思いながら目を閉じていると、わずかにシッ…シッ…と音がしている。
わずかな音だが気になってしまい寝れなくなった。
5分程したらまた入り口が開いた音がして、その後気になっていた音がしなくなった。
翌朝、誰でも利用できるスペースで男性から声をかけられた。
「昨日はお父さんが泊まられたんですね。同じ病室にいるものです。」
「はい。妻は仕事に行くようで…」
その後、雑談をし、男性が席を立つと、
「そうそう。夜中、目は覚めますか?」と尋ねられた。
「え?あぁ、たまに。昨夜も。」
と答えた。
男性は「そうですか。ベッド、慣れませんもんね。」とニコリと微笑みながら去って行った。
少し時間をおき、私も病室に戻ることに。
夕方に妻が来たので、休憩スペースでの会話を何気なく話をした。
妻は少し不思議そうに聞いていたが、「そう。珍しいね。あなたが他の人に話しかけられるの。」と言われ、「確かに…」と思い私は自宅に帰宅した。
その晩、妻からLINEがきた。
「さっきの話なんだけど…私達のいる病室で寝泊まりしているの全員母親なんだよね…」
「えっ?そうなの?じゃあ、あの人は?」
「わからないけど、気味悪いね」
私は他の子の父親だろうと思いました。
母親から夜中のことを聞いた父親がお見舞いに来て私に話かけたということに無理矢理落ち着かせ納得することにしました。























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