娘の退院が間近となった日のこと。
私は最後の付き添いで病室に寝泊まりすることに。
夕食を終え、それぞれのベッドで就寝する準備が始まった様子。私と子供も準備を終えるとあっという間に消灯時間に。
静まり返る病室内。先程までワイワイしていたのが嘘のよう。
そして、また夜中に目が覚めた。時刻は2時30分。
内心、「またか…」と思いました。
案の定、病室の入り口が開いた。その後、シッ…シッ…という音がしていた。
音が1番近くの時、何気なく足元のカーテンに目を向けた。すると、わずかにカーテンが開いており何者かがこちらを覗き込んでいた。あまりの恐怖で声が出なかった。一目でこの世のものではないと理解した。暗闇の中からでもわかる目だけが真っ黒、人より口が大きく、生気がない。
シッという音はカーテンを開けてる音だったのかとその時理解した。
その後、ゆっくりとカーテンを閉め、部屋から出ていった。
私は急いで、後を追い部屋を出た。しかし、廊下には誰もおらず、フロアの中心部にあるナースステーションの明かりだけが着いていた。
部屋に戻り、病室内を見渡すとカーテンが全て開いており、そこには誰も寝ていないベッドだけがあった。
私は急いで娘を抱きしめ、夜が明けるのをジッと待っていた。
前のページ
2/2
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 30票
























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。