俺は、窓に視線を向ける。
だが、例の手形は、すでに窓から消えていた…。
…
車掌に相談して席を変えてもらった俺は、イヤホンから流れる大音量の音楽で気を紛らせながら、硬く目を瞑り、周囲の状況が入らないように感覚を遮断する。
それからしばらくして、
肩を叩く手に驚き、俺は目を覚ます。
いつの間にか眠っていたらしい。
肩を叩いていたのは、車掌だった。
終着駅に着いたため、俺を起こしてくれたのだ。
俺は車掌に頭を下げ、駅のホームに降りる。
…帰ってきた。見慣れた街並み。地元に戻り、ほっと息を吐く。
駅から出た俺は、そのまま自宅に向かって歩き出した。
その時…。
駅ビルの巨大な窓。そこに大きな真っ黒い影がへばり付いているように見えたのは、きっと俺の気のせいだろう。
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勘違いだったらすいません。 「気のせいか。」が「木にせいか。」になってます。
「直しましたm(_ _)m」