【お、あいつが⚪︎⚪︎か。聞いた話の通り、ボンクラそうな奴だな】
【あれが新法案の対象者か。どれ、私も貢献するかな】
【レジで大声出して…。やっぱり社会不適合者は、下品だわ】
【⚪︎⚪︎の家宅捜索実施。所持する数冊の小説は殺人を示唆する内容。他、多数確認された低学年向けの漫画があり、年齢に不相応。内容も暴力を擁護するものであり、⚪︎⚪︎の危険思想が垣間見える。
また、成人向けDVDを発見。強引なシチュエーションでの性交を示す表現の内容であり⚪︎⚪︎の性的倒錯も確認】
【了解。書籍購入物制限施行開始】
【さらに、冷蔵庫内は醤油類を中心に調味料のみであり、カルシウムやミネラル、ビタミン等の貴重な栄養素が不足している傾向あり】
【ええ、⚪︎⚪︎の籠の中身を見て、絶句しました。はい。インスタントものばかりなんですよ。はい。あれじゃ性格も暴力的になります。ええ、しっかり指導しました。はい。指導料金は振込でお願いします】
…
なんだこれは?
なんなんだこれは?
俺はしばらく呆然とする。
その時、
携帯電話の画面に示されている掲示板に、
新たな文章が書き込まれた。
リアルタイムで、たった今、書き込まれたのだ。
その文章の内容は、
【⚪︎⚪︎が、同僚の女性の携帯電話を、無断で覗いています】
その言葉を受けて、次々に新たな文章が掲示板に書き込まれる。
【ええ!】
【まじ!】
【本当に変態じゃん!】
【信じらんない!】
【倫理観の欠片もない奴…】
【もう、クビだよクビ】
【やっぱり社会不適合者はそんな程度の人間だよな】
【同じ人間とは思えない…】
俺の目の前で、様々な罵詈雑言が羅列されていく。
ふと、俺は誰かの気配を感じ、顔を上げる。
そこには、ニタニタと笑う携帯電話を手にした上司と、
























怖いけど笑える
俺可哀想
面白い!
こんなん笑い事じゃないよ。
あの公園の女の人だって取られるって勝手に勘違いして逃げて
みんなに報告とか嫌だわ。俺可哀想すぎる。