誰だろうと目を凝らす。
薄暗くてよく見えなかったが、それは黄色いヘルメットを被った作業着姿の男。
男は息を切らしながら椛島の傍らに駆け寄る。
俺はその横顔を見た時、ゾクリとした。
というのはその肌は濁った黄色に変色しており、げっそり頬がこけている。
男は椛島と俺を交互に見ると、
「あんたたち、大丈夫か?」と尋ねる。
椛島が頷くと、
「まだ奥にもいるのか?」と畳み掛けるように尋ねてきた。
また椛島が頷くと、
男は「分かった。すぐ戻ってくるから、ここにじっとしてるんだぞ」と言って俺たちの前を通り過ぎ、また走り出した。
そして徐々に男の叫ぶ声はトンネル内を反響しながら遠退いていき最後は人々の不気味な呻き声と重なり混ざりあうと、やがてフッとたち消えた。
「あの男はいったい?」
呆然としながら俺が椛島に尋ねると、彼はニヤリと意味深に微笑み「まあもう少し待っていろよ」と言う。
言われたとおりしばらくその場に立ち尽くしていると、またトンネル出口辺りから、
「苦しい誰か、、誰か助けて、、」
「痛いよお痛いよお!」
という男女や幼い子供の悲痛な叫びが聞こえてきた。
すると、
オーイ、、オーイ、、
バシャ、バシャ、バシャ、バシャ、、、
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怖ー
コメントありがとうございます
━ねこじろう
怖いけど切ない。良いお話をありがとうございました。
コメントありがとうございます
─ねこじろう