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呪い・祟り

どこかで見た話さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

人形劇
短編 2025/03/04 12:07 2,659view
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あの人形を触ってはいけないと言っていたのに、なぜ屋敷に残していたのか。

考えれば考えるほど、嫌な予感が膨れ上がる。

屋敷に戻り、祖母の日記を探した。

そして、ある一冊の古びた日記が見つかった。

『この人形は、私の姉のものだった。姉は小さい頃に亡くなったが、この人形だけは家に残った。』

『最初は何もなかった。でも、ある日、私は夢の中で姉の声を聞いた。「私を見て」と。』

『それから、人形の髪が伸びるようになった。ある日、人形の唇が動いた。「帰ってきて」と言った。』

『私は怖くなり、人形を納屋に閉じ込めた。でも、何度も何度も戻ってくる。』

『誰かを連れていかないと、私はずっと離れられない。』

最後の一行を読んだとき、背筋が凍った。

祖母は、俺を家に呼び寄せたのか?

その瞬間、背後から足音が聞こえた。

カタ……カタ……カタ……

ゆっくりと振り返ると。

そこには、

人形の顔をした、祖母が立っていた。

目が覚めた時、俺は祖母の家の奥座敷に座っていた。

目の前には、日本人形。

「……あれ?」

頭がぼんやりする。

何かがおかしい。

立ち上がろうとするが、身体が動かない。

それどころか。

指一本すら動かせない。

――鏡が見たい。

ふと、そう思った。

だが、動けない。

鏡は向こう側の棚にある。

そこに映るのは――

奥座敷に座る、日本人形。

3/4
コメント(1)
  • 某番組は「プラモデルには作った人の魂が宿る」って言ってたから、プラモデルでも似た現象が起きるのかも

    2025/03/04/23:09

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