「裕司さん!、、裕司さん!……」
大島が自宅の居間のソファーに座っていると、妻がびっくりするような勢いで飛び込んできた。
「どうした?」
と彼が尋ねると、妻は肩で息をしながら後ろ側を指刺している。
訳が分からずとりあえずリビングから廊下に出ると、玄関口に小学六年生の眞吾が立っていた。
赤いボーダー柄のシャツにGパンという昨日と同じ出で立ちをして、ぼんやりと焦点の合わない目をして立っている。
「良かったぁ、良かったぁ」
妻は眞吾の両手を握り涙ぐみながら、何度となく繰り返している。
「ほらぁ!裕司さんも来なさいよ。
眞吾が、、、眞吾が戻ってきたんですよ」
「あ、……ああ」
妻にせかされ大島は横に立つ。
だが彼は息子の目を見ることが出来なかった。
※※※※※※※※※※
その前日、
大島は仕事を早く切り上げハイエースのレンタカーを借り、息子の通う小学校の正門の辺りに車を停めていた。
16時を少し過ぎたくらいに、サイドミラーに映る息子の歩く姿が見えた。
彼は前もって準備していた目出し帽を被り息子が車の横を通り過ぎる寸前に素早く降りると、タオルで鼻と口を抑え車の後部座席に連れ込み目隠しをして猿轡をかませ手足を縛った。
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なんでだろう、気が狂ってる死刑囚もいるな
宮崎勤かと思ったけど、年齢も刑までの執行機関が違うから別のかな
多分、別の死刑囚ではないかと。
年齢もそうですが、宮崎さんとは
また違った気配ですね。
コメントありがとうございます
─ねこじろう