何度目かの父との面会で父の方から
「あいつは今も横におるんか?、、、」
と言われ、父の横見て頷くと
「俺を恨んどるか?」
と聞かれ女の人を思わず見てしまい目が合ってしまいました。日頃は見えたとしても幽霊か人間関係なく私は目を合わせないクセが着いていたのに何故かその時は合わせてしまったのです
すると、その女性は驚くことに笑顔で話しかけてきたのです。何度も会っていたのに初めて会ったかのようにこう言いました。
「娘さん?お母さんにそっくりだからすぐにわかった。会ってみたかったから嬉しい、弟さんも可愛いね。」
そう言われ私は怯えた弟に外の公園で遊ぶように行って外に出しましたが、私自身も恐怖で歯が噛み合いませんでした。
父には聞いてどうするとかと聞きました。
すると謝りたいのだと言い始めました。
毎晩毎晩夢に出てくるのだそうです。そして父になにか伝えてくるそうなのですが全く聞こえず、しかしずっと笑顔なのだそうです。
「あいつが恨んどるのかはわからん、でも謝りたい。楽になりたい」
そう嘆いていました。するとそれまで横にいた女性が何故か私の横に来たのです。そしてこう言いました。
「一さんいつも謝っているの。わたし怒っていないのに、ねぇ伝えくれない?一さん愛してる。ずーと一緒にいましょう。って」
私は震えながら何とか女性に言いました。
「何でわたし?もしかしたら言わないかもしれませんよ。」
そう伝えるとまたあの笑顔で
「あなたが1番優しくて話を聞いてくれそうだったから。それに私を最初に認識したでしょう」
なせが女性は私が最初に見たことを知っていたのです。それに怖くなり震えていると
「大丈夫よ。お母さんにも言ったけど貴方達を恨んでいないよ。ただ一さんに伝えて欲しいだけなの。愛してるって他の兄弟やお母さんは目も合わせてくれないから。ねぇお願い」
そう言われた直後父から震えた声で
「やっぱ恨んどるんか?」
その声でハッとした私は女性の言葉を文字通り伝えました。すると父は絶望した顔で俯きました。私の横にはまだ女性はおり、ふと足元にいた水子見たらその女性は水子を抱きあげ見せてきたのです。
「可愛いでしょう?一さんとの子供。目元とかそっくりでしょう?。」
そう言われ初めてちゃんと見てみると見た目は普通の赤ちゃんの為気が緩んでしまい思わず可愛いと呟きました。あっと思い女性の方を見ると、今まで笑顔とは違う嬉しそうな母親の様な優しい笑顔で
「嬉しい、貴方だけだわ。そう言ってくれるのは。一さんは見ることは出来ないし、他のお子さんやお母さんは見て見ぬふりをするから。」
その言葉を聞いてなせが私はこういったのです。
「赤ちゃんの名前はなんて言うんですか」
父が驚いた顔でこちらを見てきたのが見えましたがそれ無視しました。女性は虚をつかれた様な顔で泣きそうな顔でこう伝えてきました。
「一さんとの子供だから、愛の結晶と思ったから安直だけど女の子でも男の子でも同じ漢字で愛って書いてイトって名前に」
その時にはもう女性に対する恐怖は無くなり
いい名前ですねと伝えると酷く嬉しそうな泣きそうな顔でお礼を言われました。私は反射的とはいえ、何故女性と目を合わせたのか何となく分かったきがしました。
そして、その様子をふとこの女性の名前を知らないなと思いきてみたのです。父からも母からも聞いたことがなく、大抵あいつか、あの人だったからです。その女性は陽菜というそうで、
歪んでしまった愛情で恐ろしい人だと思いましたし、本来は幽霊の中でも恐ろしい存在なのだとおもいます。私自身が幽霊から殺されそうになった身ですのでよく分かっています。
しかし陽菜さんは本来とても愛情に満ちた優しい人だと感じたのです。そう思った瞬間私は父に八つ当たりのようにこう伝えました。
「あんたは陽菜さんに許されたいっち思っとるみたいやけど、人様の人生を滅茶苦茶にして文字通り奪ったのにそれは虫が良すぎる。本来は殺されてもおかしくないのに陽菜さんはずっとあんたを愛してくれとる。陽菜さんを蔑ろにした代償にしては優しすぎる。赤ちゃんもそうや、あんた遊びのつもりやったんやろ。最悪やな。一生かけて陽菜さんと本来産まれてくるはずのイトっていう子に謝罪して償えや。」
私はボロボロと泣きながらそう言い、父も泣きながら頷いていました。
陽菜さんを見ると泣いており私は幽霊でも泣くんだと思いました。
陽菜さんは私にお礼を言ったあと私に名前を聞いてきました。流石に名前を言うのははばかった為、通称を伝えました。
それ聞いた陽菜さんは父の横に戻り優しい笑顔でイトを抱いて父に寄り添って言いました。
「チーちゃん(通称)ありがとう。私この子とずっと一緒に一さんと居るね。ほんとにありがとう」
父にはお墓参りに行くよう伝えそれ皮切りに父と別れ外にいた弟と家に帰りました。
今思えば本来は水子供養も伝えなければいけなかったのでしょう。しかし当時それを伝える気は起きませんでした。
この事を母に伝えました。泣きながら伝えた私を母は抱きしめてくれました。
その後も何度か父と会いましたが陽菜さんとイトはずっ隣にいました。でも表情は穏やかでした。父も良い意味で前とは人が変わったようでした。私は今は遠方にいる為会ってはいませんが弟の職場と乳の職場が近い為今もあっているそうです。そして今も陽菜さんとイトは横に居るそうです。
この話を見て本の中のような話と思うでしょう。私自身ももし、体験していなければそう思っていたでしょう。
幽霊が見えると自覚し幽霊と分かっていながら目を合わせて話したのはこの1度きりです。
今でも、陽菜さんとイトの存在を思い出し幸せになって欲しいと願っています。
2ページの下から6行目
とんでもない誤字してますよ!(汗)