ストーカーはいつも近くにいる【partⅣ】
投稿者:ねこじろう (156)
長編
2025/02/01
11:32
422view
彼女の唐突な質問に俺は少し考えてから応える。
「確か片方は70くらいのおばあちゃんの独り暮らしで、反対側は俺と一緒くらいの年齢の男性と若い女性が暮らしてる。
二人は前月に越してきたと思うが何で?」
「いえ別に、、、ただ聞きたかっただけ」
そう言うと彼女はいたずらっぽく微笑んだ。
笑顔が可愛い。
※※※※※※※※※※
それからは週末になるとN美は俺のマンションで一泊するようになった。
そしてそんな関係が一月ほど続いた頃のことだ。
いつものように一緒に夕食をしてからしばらく雑談を交わし、二人で寝床についた。
その日の俺は仕事の疲れもあり、早々に寝入ってしまう。
それからどれくらいが過ぎたころだろう。
ふと目が覚めた。
枕元の携帯をかざすと、時刻は零時過ぎ。
まだこんな時間か、、、
と思いながら何気に横を見ると、N美の姿がない。
トイレかな?と思いながら少し頭を浮かすと、彼女が寝室奥にある壁の前に立っているに気づいた。
訝しげに思いながら目を凝らす。
薄暗い中こちらに背を向け、両手と片耳を壁に充てているN美。
その目は大きく見開かれ血走っている。
いったい何をしてるんだ?
まさか隣の生活音を盗み聞き?
確かこっち側はカップルだったが、、
などと不審に思いながらも睡魔に負けた俺は、再び微睡みの泉に浸かっていった。
俺はそれからもN美の深夜の奇行を幾度か目撃するが、まあ人間いろいろな趣味嗜好があるものだからと無理に納得していた。
※※※※※※※※※※
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 5票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。