奇々怪々 お知らせ

呪い・祟り

八尺マンさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

自分は1人だった
長編 2025/01/28 23:20 3,338view
0

顔すら浮かばない

そんなことあるだろうか
いくら飲み過ぎたといっても

そんなことを考えていると妻が帰ってきた

「あら? 起きたのね?」

妻は俺を見るなり、そっけなく言った

特に心配している様子はない

「ああ。今な。しかし、玄関で寝てしまった俺をそのまま放置はないんじゃないか。せめて布団だけでもかぶせてくれよ」

俺がそう言うと妻はきょとんとした顔をした

「あら? あなたのお友達がベッドまで運びますって言ってたのだけど」

「俺の友人が?」

「そうよ。今朝、酔ってベロベロの貴方を家まで運んできてくれたのよ? 私は朝から用があったからどうしたものかと思っていたら、僕がちゃんとベッドまで運びますからって言うからお任せしたのだけど・・・」

なんだって?
その俺の友人は俺んちまで来ていたのか

しかし、それなら話は早い
妻にその友人はどんな奴だったか聞けばいい

「なあ、その友人はどんな男だった?」

「え? どんな男だったってどういうこと? 貴方のお友達でしょ?」

もっともな疑問だった
だが、ここは聞かないわけにはいかない

「いいから教えてくれ。その男はどんなかんじの男だったんだ」

「どんなかんじってそれは・・・。あら?」

妻は首を傾げた

「おかしいわね・・。ついさっきのことなのに、その人の顔が思い出せないわ。確かに顔を合わせて会話もしたのに・・」

俺はなんだかぞっとした

俺と同じだ
その男を思い出せない

泥酔していた俺はともかく、素面の妻が思い出せないのはおかしい

その男はいったい何者なんだ?

俺は昨日の自分の動きを調べることにした

2/8
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。