中古のフィギュアを買った話

神社に着くと、電話対応をしてくれた神主さんが待ってくれていました。
神主さんは僕の持ってきたフィギュアを見るなり
「ああこれは……随分と可哀想な亡くなり方をされましたね」
と言っていました。

その後、神主さんと色々な話をし、夜行バスで自宅に帰りました。
神主さんの話によると、中古品には少なからず前の持ち主の念が宿っており、持ち主の愛着が強ければ強いほどその念も強くなるとのことです。
しかしそれらの大半は次の持ち主に影響を及ぼすことはなく、あったとしても次の持ち主の念で跳ね除けることができるそうです。

しかし稀に、僕が手にしたフィギュアのようにとんでもない厄災を持ち込んでしまうものもある。特に元の持ち主と次の持ち主の波長が合ってしまうと、元の持ち主の念の影響を強く受けてしまうのだと言われました。
それを防ぐためには、日頃から精神を病まないようにすること、三食しっかり食べて健康的な生活を心がけ、部屋を綺麗にし、悪いものがつけ入る隙を作らないことが大切だと教わりました。
それを聞いて、確かにここ最近の僕は現実逃避でアニメに没頭し、少々不健康な生活を送っていたなと反省しました。

その後、神主さんからは供養が無事に済んだと連絡をいただきました。
このご縁がきっかけで、僕は毎年この神社にお参りに行くようになりました。
きっかけが何であれ、このような縁に恵まれたことを嬉しく思います。

最後に。

僕は神主さんにフィギュアを預けた時に
「元の持ち主は自殺だったのでしょうか」
と尋ねました。
すると
「自殺した人の念ではないですね。元持ち主は突然命を奪われた人です」
と言われました。
言われてみれば、あの夢に出てきた男性。
ロープを吊るした人とロープを首にかけた人はそれぞれ別の人だったような……。

今となっては確かめる術もありません。