日本人形

これは私が体験した話です。

ある日、私の兄が、
「日本人形買おうよ！」
と言った。
私は怖い話は好きだが、体験するのは嫌いだった。
それで、「買わないで」と言ったのに、気づいたら、リビングに置いてあった。
ある日、日本人形を怖がりながらも、少し触ってみた。　
そしたら、一瞬だけ目を閉じたような気がした。

それから、誰もいないのに、視線を感じたり、朝起きたら、日本人形が自分の前で倒れていたりしていた、兄に、「日本人形動かした？」と聞いてみたら「俺が動かすわけない」と言った。
私の兄は嘘をつくときは毎回ニヤニヤして話すが、真面目な顔をして話した。
その何日かした後に、「遊ぼ！」と日本人形が言って倒れてきたり、私の友人を家に呼んだときに、私の友人が日本人形に引っ掻かれたりした。

私は怖かったので、日本人形を捨てようとしたときに、何故か手が動かなかった。
その翌日、私が外に出かけると、自転車や車にひかれそうになったりと、不運な日々が続いた。

誰もいないし、風も吹いていないのに、扉が閉まったり、誰もいない部屋から物音が聞こえたりした。
その何週間か後に、私の兄が交通事故に遭い、入院した。

私は今度こそ、人形を捨てようと思った。

その人形の服には、沢山の血がついていた。
私は余計怖くなり、焦って投げ捨てた。
自分の手を見ると、血や、あざ、引っ掻かれた跡や、何故か火傷をしていた。
私は怖くなり、人形を取り出し、友人に燃やしてもらった。

その5日後何故か燃やしたはずの人形が全く同じ姿で私の家の玄関に倒れていた。
その後、また家の中や、外を歩いているときに、後ろから誰かの気配を感じたりした。
その翌日誰かに背中を触られた感覚もあった。
後ろを振り向いても誰もいなかった。