俺の問いに桜庭は静かに話し始めた。
「まあきいてくれよ。
仲介してくれた不動産屋の営業が、物件説明の時にこう言ったんだ。
この物件はこの部屋さえ受け入れてくれたら、超お得なんだと。
確かにそうだ。
実はここはかつてある若い女性が借りていたそうなんだが、彼女が入居してから1年ほどが経った頃から同じ階の他の住人から不動産屋に対し数件の苦情が出たらしい。
それは彼女の部屋から廊下に数十匹の蜘蛛やゴキブリが這い出てきているというものだったらしく気持ち悪いから何とかしてくれ、というものだったそうだ。
早速不動産屋の営業は話を聞きに彼女に会いに行った。
彼女が言うには、長年付き合っていた彼氏と別れた寂しさから以前から興味のあった蜘蛛を飼育するようになったということなんだが、どんどん繁殖してからは飼育箱ではまかないきれず、とうとうこの部屋を全て蜘蛛のために利用していたらしい。
それで営業が彼女立ち会いのもと見せてもらったそうなんだが、とんでもない光景だったそうだ。
部屋入口には透明のカーテンが付けられていて、8帖の室内は蜘蛛の巣があちこち隙間なく占拠し、大小様々な色とりどりの蜘蛛がせわしなく動き回っていたそうだ。
そして床や壁にはエサとなる小さなゴキブリが無数這い回っていた」
「何なんだ、その女、、、
だいたい何で蜘蛛なんだ?」
呆れ顔で俺が問うと、桜庭は険しい顔で左右に首を振りながら「分からん」と言うと、続ける。
「女が不動産屋から注意されてからは、住人が蜘蛛やゴキブリを見掛けることはなくなったそうだ。
ただそれからというもの、住人は女の姿を見掛けることがなくなる。
また女の部屋の郵便受けは、郵便物で溢れかえっていた。
さらに家賃も引き落としが出来ない状態が数ヶ月続き、不動産屋の営業が何度となく連絡をするが繋がらない。
それでやむを得ず営業担当はオーナー立ち会いのもと、この物件に踏み込んだそうだ。
それからあちこち探しても彼女の姿は見当たらず、最後にこの部屋のドアを開くと、まず入口は透明のビニールシートでピッタリ目張りされていた。
そして二人が中を覗き込んだ途端、背筋が凍りつく。
室内は蜘蛛の巣が隙間なく張り巡らされ、無数の蜘蛛たちが這い回っていた。
ただ彼らが総毛立ったのは、そんなことではなかったんだ。
室内中央の天井あたりに巨大な繭(まゆ)のようなのがあったそうだ。
繭の表面からは透けて人の影が見えたらしい。
後から来た警察が中身を開いてみると、


























キモっ(褒め言葉)
コメントありがとう
━ねこじろう
そろそろ大賞受賞してもいいでしょう!?
応援ありがとうございます
━ねこじろう
なんとなく気持ち悪かったけどかなり面白い話だと思います
蜘蛛のほうが怯えてるんかい!
ヤバい蜘蛛女より余っ程怖い友人だな。俺なら縁切る
蜘蛛女かよキモイ
なぜ蜘蛛を彼氏の代わりに飼おうと思ったのかが理解出来ないのだが?
ありふれた事故物件に関する怪異を逆手に取った良作だと思いました。
一捻りあるこういった作品 好きです。
皆さん様々なコメント、ありがとうございます
━ねこじろう
うわああああ…😭なんか、めちゃくちゃ切ないラブストーリーじゃん…!!
怖い見た目のあの女の子に、桜庭の深い想いが絡みついてる感じ…ホラーと哀愁がミックスされて、すごい胸がぎゅっとなるわ😢💔
でも、桜庭の「これから一緒に暮らそう」って決意、なんか優しさも感じて…なんか人間味溢れてる…✨
よ、よくわからないけど一緒にやっていけそうでよかったです!
良いお部屋だし(白目)
こわ
怖いようで、特殊な愛の形として調和がとれていて、不思議な『好感』が持ててしまった。
↑蜘蛛女だぞ
愛は怪異をも恐れさせる。桜庭氏の愛は成就してほしいが。
怪異より桜庭氏の方が怖いという意外な展開ながら、桜庭氏の恋がぜひとも成就してほしいという気もする。
怪異が相手ながらこの恋が成就してほしい。
桜庭…精神科行った方がいいよ?