究極の事故物件の話
投稿者:ねこじろう (153)
長編
2025/01/02
16:32
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呆然としながら話を聞いている俺を横目に桜庭は続ける。
「それから何人かの人が事故物件というのを承知で格安ゆえに住んだが、皆一月もしないうちに出ていってしまったそうだ」
「どうして?」
俺の問いに桜庭は無言でゆっくり右手で上方を指差す。
つられて恐る恐る見上げた途端、
うわっ!
小さく悲鳴を上げ後方に退いた。
女がいる。
まるで蜘蛛のように天井に張り付いている。
その体は影のようにボンヤリと黒く、手足は8本あった。
髪を垂らした怯えた白い顔をこちらに向けると、唖然として固まる俺たちから逃げるように素早く室内奥の片隅へとサササと移動する。
そしてまた白い顔でじっとこちらを伺っていた。
「あれ、、ず、、ずっとここにいるのか?」
俺の問いに桜庭は頷くと、口を開いた。
「ああ、そうみたいだな。
よほどここの居心地が良いみたいで、この部屋に住み着いているようだ」
「お前、怖くないのか?」
「最初はな、、、
でもあいつの顔を一目見た時、ハッとしたんだ」
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