ひとくち怪談─子ども編─
投稿者:マチノスケ (16)
ずっと、祖父の断末魔が聞こえていたんです。
人って、死んだらああなるんだって。
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2、誰?
知り合いの女性から聞いた話です。
その方には、小学生になる双子の娘さんがいるんです。双子って側から見たらどっちがどっちなんやってなると思うんですが、やっぱり親とか長く接している友達とかなら見分けがつくんですって。一見同じ顔に見えても、パーツ単位で微妙に違ったり。同じ声でも、話し方が微妙に違ったり。その女性も、自分の子どもははっきりと見分けがついていました。
そんな彼女だからこそ気づいた、最近あった怖い話。
その日は双子の姉の方が友達と遊びに出かけてて、妹の方が家の自室にいるっていう状況だったんです。当の彼女はリビングにいて、音楽をかけながら洗濯物を畳んでいました。
「おかーさーん」
そう呼ぶ声が後ろから聞こえたんです。妹が呼びにきたのかな、それとも出かけてた姉が帰ってきたのかな。姉は玄関の扉をやたら静かに開け閉めする癖があったので、音楽をかけてたりすると気が付かないことも度々ありました。まぁどっちにしても、用事あるんやなって思って「なにー?」って言いながら振り向いたんです。
振り向いて、すぐに気がつきました。
この子、どっちでもないって。
顔は娘なんですが、どこか違う。どこがどう違うのかと言われると説明できないんですが、何かが変や。そんな猛烈な違和感に襲われたんだそうです。自分の勘違いかもしれない。でも、なんか気持ち悪い。そう感じた彼女は、思い切って目の前の相手に聞いたんです。
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