という事は昨日1度この部屋は綺麗になったのだ。
なったのにも関わらず。俺は今、何故かこんなとっ散らかった部屋の清掃をする羽目になっている。
そこから導き出される答えに俺は唖然とした。
「お前……たった1日でこんだけ散らかしたのか?」
相変わらず双眼鏡を覗き込んでいる鎖が「人間1日も生活すればこうなるわ」と言い返してくる。
この場に俺以外の人間が居たなら皆同じく声を揃えて「ならねーよ!」とツッコんだ事であろう、俺もそうしたのだから。
「そもそも私はちゃんと捨てているわ、ゴミが勝手に床へ行くだけよ」
そう言いながらも鎖の手にはいつの間にかカップ入りのモンブランが握られており、双眼鏡やら望遠鏡やらを覗き込む合間にスプーンでそれをつついていた。
そして中身が無くなると鎖はそれをポイと床へ捨てた。
「はいやった、完全にやった、午前10時28分、ポイ捨て防止法違反の容疑で現行犯逮捕です」
「つまらないわ、さっさと拾いなさい」
「ちっ」と舌打ちをしながら先程目の前で鎖がポイ捨てしやがったモンブランのカップをゴミ袋へぶち込んだ。
こいつ、まさか先輩達の前でも同じような事やってたんじゃないだろうなと身震いする。
しかしそれは怖くて聞けなかったので俺はその後黙々と清掃に従事した。
「ほら、清掃終わったぞ鎖…」
一通り清掃が終わり鎖の元へ戻ってくるとまーた床にスイーツゴミが3つほど転がっていたので、それを回収してから話しかける。
こいつ1日何個スイーツ食うんだよ。
しかしこうして見るとどう見てもスタイルが良いので腹が立った。
「あーあとお前、アイドルじゃねーんだからこんな時期に加湿器使うなよ。清掃項目が増える」
「あなたのサハラ砂漠みたいな肌と私の肌を一緒にしないで」
俺の肌を顕微鏡で拡大したら商人がラクダ連れて歩いてるってか、失礼なやつだ。























けっこうこわかったです。
さすがに44Pもあると途中で挫折しました。
ぜひ今度5Pくらいの短縮版を書いてください。
怖くはない。だが悪くはない。
しんれいかいきみすてりーふうの、とあるぼうけんたん、ちょうへん。
主人公が俺っ娘だとは、ある一節まできがつかなかった 。
いつも空いている席の正体に続く、二作品目読ませていただきました。ジャンルとしては、心霊というより田舎・伝承系でしょうか。
師匠シリーズ、なつのさんシリーズのように登場人物に統一性があり、続編小説を読んでいるようでとても面白いし、なるほど、と思える話でした。次の話も楽しみにしています。
一作品目の話と、こちらの話は、朗読させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
俺は高2なのに1コ上の石野さん大学生なんです?