「陳腐な結界……小指で破れそう」
わざとらしく小指を立ててフリフリする。
「お前…今何したっ」
なんか転がった気がしたので床を見回す。
すると手で握れるサイズの石ころが転がっていた。
嘘だろ。
「お、お前まさかこれ投げつけたのか」
「あなた程度の蛆虫が私の言葉を無視するのが悪いのよ」
「下手したら死ぬだろっ」
イヤホンの音量がデカくて聞こえてなかっただけなのだが、これを言ったらまた何か投げつけてきそうな気がしたので口をつぐんだ。
「ていうか…お前、帰ったんじゃ」
「ええ…そうしようと思ったのだけれど……あなたの惨めな土下座姿を思い出したら、少し情が沸いたわ」
「え、どれくらい」
鎖は指でちっちゃい輪っかを作る。
マジでちっちゃい、小さすぎてほとんど見えない、ありんこくらいしか通れなさそうな輪っかである。
どうやらその見えるか見えないかレベルの小さい輪っかが鎖をここまで運んでくれたらしい。
鎖は懐からなにやら紙切れのような物を複数枚取り出して俺の机の上に置いた。
「これは……」
それは御札のようだった。
この話は怖かったですか?
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えっ、最後びっくりした
「床に落ちた何か」てなんだったの?