「あなたの土下座…とっても様になってる……本来その形で生まれてきたみたいだった」
初めて鎖の口角が少しだけ上がっているように見えた。
ちきしょう、この女に頼んだ俺が馬鹿だった。
俺は慌てて地面から立ち上がった。
「あ、そうだお前!!前に一回駅でナンパされてるところを助けたよな!!俺を無げにした事、俺が死んだ後に後悔するぞ!」
「あなたみたいな卑しい人間に助けられた覚えなんてないわ」
「あーそうかよ」と半ば吐き捨てるようにして鎖の前を後にした。
どうやら本格的に自分の力で何とかするしか無くなってきたようだ。
放課後、もう俺はやけくそになっていた。
俺は最終決戦場になぜか教室を選んでしまったのだ。
教室の四隅に塩を盛って自分の机に突っ伏していた。
なんだか、家に帰る気にはなれなかったのだ。
何をしているんだか。
どうせ遅くなったら警備員にこの教室から叩き出される事だろう。
自分でも何をしているのかよく分かってない不貞腐れと諦め、怒りと恐怖がグラデーションのように混ざった心で机に顔を擦り付けていた
そうしてどれぐらい経っただろう。
イヤホンから流れる歌詞の意味もよく分かっていない洋楽を聴きながらぼーっと窓の向こうの太陽が沈むのを眺めていた。
すると、頭部に激痛が走った。
「うぎゃあ」と情けない叫びを上げて慌てて机から起き上がった。
床に何か固いものがコロコロと転がっていくような音がした。
慌てて教室を見回す。
俺から3mほど離れた位置に鎖が居た。
「鎖……」
鎖は教室の四隅を見回してため息を着いた。

























えっ、最後びっくりした
「床に落ちた何か」てなんだったの?