そんなこんなで父の一周忌がやってきました。
たくさんの人がお線香を上げに来てくれて、その対応に疲れて、少し早めに床に就きました。
その夜、亡くなってから初めて、父が夢に出てきてくれました。
いつもの優しい笑顔です。
私は成太を抱いていて、父にも抱いてと渡しました。
父は『おおっ!』と言って、成太を抱き上げました。
『可愛いな〜、顔は優美にも志郎にも似てる。オレに似なくて良かったよ』
そんな父の物言いに、
「まだ、そんなこと言ってるの?」
私は少し呆れました。
『可愛いな〜、可愛いな〜、可愛いな……』
成太に夢中で、私の言葉など入っていないようです。
私は、家族や会社や町の近況を話しました。
それでも父は相変わらず、
『可愛いな〜』
と、ひたすら成太に夢中です。
『可愛いな〜、可愛いな〜、可愛いな……』
私はだんだん不安になってきました。
「あのさ、そろそろ成太を返して」
『可愛いな〜、可愛いな〜、可愛いな……』
キリがないので、父から取ろうとしました。
すると、
『離せっ!この子はオレのものだ‼︎』
と怒鳴ったのです。
「えっ?」
あの父とは思えない態度に私は固まりました。
そしてそのまま、父は成太を連れて行ってしまったのです。
「はっ‼︎」
私は飛び起きました。
夢とはいえ、恐怖と嫌悪で吐きそうになりました。
慌てて成太を確認しましたが、穏やかに寝ていて無事でした。

























えぇこわ((( ;゚Д゚)))
ついさっきまでただのいい話だったじゃんっ(。>д<)