それだけ言って、彼女は私に言葉を発せさせる暇もなく去っていきました。
翌月に、彼女が亡くなった知らせを聞きました。
首吊り。気高い彼女からは想像できない死因でした。
首には、蛇が締め付けたような痣と黒い鱗が一枚落ちていたそうです。
私は彼女を殺めた黒蛇を許しはしません。
ようやく決心がつきました。
来年…2025年のこの月に、彼女の墓を参りにいきます。
そのときに、あの祠を壊してきます。私の命などどうなろうと良いのです。
ただ、彼女の仇討ちさえ出来れば。
だからそれまでは精々、語らせていただきます。
私が、彼女が生きた証を。
彼女が語った、怖い話を。
前のページ
3/3
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 26票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。