探している映画

俺はドアノブに手をかけてみた

ガチャ

開いた
鍵がかかっていない

嫌な予感が大きくなっていく

まさか、あいつ、ぶっ倒れているんじゃないだろうな

「増田！　入るぞ・・って、うわ！！」

むせかるような臭い
あらゆるものが腐敗した臭いだ

床一面にゴミが散乱している

ペットボトルやらカップ麺の空容器やらで埋め尽くされている

何か音が聞こえる
誰かしゃべっているような

どうやら映画の音声らしい
どうにか奥に進むと増田がいた

テレビの前に座ってじっと画面をみつめている

髪はボサボサ、髭は伸び放題
顔はやつれきっていた

ひどい状態だ

「おい！　増田！　しっかりしろ！」

俺は増田に近づいて・・・

そこから記憶がない

気がつけば周りに大勢の人間がいた
警察や救急隊のようだった

「よかった！　気がついた！　大丈夫ですか？」
救急隊が俺に声を掛ける
どうやら俺はその場で気絶してしまったらしい

あとで聞いた話だが、俺は悲鳴を上げたらしい

それに気がついた近所の住民が通報してくれたようだ

俺はそのまま入院となった