その翌日もカウンターやテーブルに、あの女性や男は座っていた。
そして客足の途切れた午後2時頃のことだ。
ドン!、、ドン!、、ドン、、
突然店の奥から何かを荒々しく叩くような物音が聞こえてきた。
以前からもラップ音とかは鳴ったりしていた。
━またかよ、、、
と少々呆れ顔でそちらに目をやる。
だが今回は違った。
音に混ざって声も微かに聞こえてくる。
それは怒りに満ちた吐き捨てるようなもの。
チキショー!、、チキショー!、、チキショー!
そこは店内片隅の薄暗いスペース。
ボンヤリとした人影らしき者がなにやらしきりに動いているようだ。
何だあれは?
俺は目を凝らしゾクリとしたよ。
その姿はまるでホロスコープで投影した映像のようにぼんやりしていて、向こう側の飾り窓が透けて見えていたんだが、よく見ると白い開襟シャツに黒いズボンの男の子が目の前の壁を狂ったようにひたすら殴っているみたいだ。
血で真っ赤に染まった目でただ壁の一点を睨み続けながら、声をあげている。
チキショー!、、チキショー!、、チキショー!
カウンターの向こうで唖然としてその様を見ながら固まっていた。
それからも店にいると、こちら側の人間に紛れてあちら側の者たちの姿が見えるようになったんだ。
この話は怖かったですか?
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「焼け跡から4人の遺体が発見された。」って書いてるのに「Aさん(55歳)、その妻Bさん(43歳)、息子のCさん(23歳)」で3人しかおらんない…?
やばっ!おっしゃる通りですね
ご指摘ありがとうございます
お恥ずかしい限りです
すぐ訂正します
━ねこじろう