鳴り続ける、サイレン
投稿者:たち (18)
「お経の途中で名前言ってないか?」と。
私は、すぐに反応してしまい、
「えっ?名前?」と聞き返しました。
友人は頷き、
「ああ、初めは気のせいだろうと笑っていたんだけど…確かにお経の途中で名前っぽいことを言ってるんだよ。」
私は、少し黙り、考えました。
お経だから、名前っぽい箇所があるのかもしれないな。と考え込んでいると。
「それも、毎年違う名前なんだ。」
私の考察は一瞬にして崩れ去り、
「はっ?マジ?」と言いました。
友人は
「マジ。毎年、違う名前読んでいて、名前呼ばれた人は年内に亡くなってるんだ。病気、事故、自殺、行方不明になって発見されると亡くなってたり…」
私は一気に怖くなり、黙り込んでしまいました。
友人が私の様子を見て、
「な?気味悪いだろ?」とこちらを見て言いました。
私は素直に、「やばいだろ。普通に。」と言うのが精一杯でした。
友人は
「ああ、俺にそれを教えてくれた友人Aはそのお経のことについて調べたんだ。親や年配の知り合いに聞いても教えてくれず、誤魔化されるらしい。中には、その事実自体知らない人もいたんだ。」
私は何も言わずただその話を聞き入っていました。
友人は少し呆れたような感じで喋り始めました。
「そいつさ、誰に聞いてもわからないから自分で解明しようとしたんだ。」
「どうやって?」と聞き返し、
「次の年のお経が流れる時間に役場に行って、放送室を調べるって言い始めてさ。バレたらヤバいからやめろって言ったのに…」
後のことが気になりすぎて、
「どうなった?」と聞きました。
「そいつは、防災無線で流れるには役場の放送室でお坊さんがお経を読んでいると考えたんだ。もしくは、録音してるのを流す。
放送室にいる人に直接確認しようとしたんだよ。」
私は、「なるほどね。確かにそれなら確認できそうだね。その人、すごい行動力だね。」と感心して言いました。
友人は呆れ顔で小さく首を横に振りました。
その後、2人は少し黙っていました。
私は、「けれど、周りの人達が隠してるということは知られるとヤバいことなのかな?」と思いました。
友人に続きを聞いてみました。
「結局、どうだったの?」
電鉄富山駅で電波が混線して電車ホームに近くの葬儀場の読経が流れてしまったことがある
どこかのお寺で新盆を迎えた故人の供養に名前を呼びながらマイク使って上げてるお経が、役場の防災無線と混線してるんでは