不倫おばさん

私に見られていたことに気付かなかったようで、急に焦りながら「何でもない、あなたには関係のないこと」と話を終わらせようとしてきた。

なんで焦っているのだろう？

誰かに知られると不味いことをしているのだろうか？
もし知人や親戚から差し入れを貰ったとしても、それをわざわざ隠す必要はないはずだ。

これは怪しい・・・。

数日後、菜々美がニヤニヤしながら私に話かけてくる。

菜々美「宮本って何してるか知ってる？（ニヤリ）」

私「いえ・・・多少気になる点はありますが・・・」

菜々美「あの人さ、不倫してるんだよ、男性客に名刺渡してるの見たことあるでしょ？」

私「名刺に連絡先を書いて渡していたってことですか？」

菜々美「そう、既婚者の癖に不倫するとか不届きだよね」

私「旦那さんが知ったら悲しみますね」

菜々美「それはどうかな？」

私「え？」

菜々美「この前、宮本と旦那が仲良く買い物しているところ目撃したんだよね」

菜々美「でもね、違う日に旦那が知らない女と仲良さそうに腕組みしているのを見てしまったの、旦那って特徴的な顔をしているからね」

菜々美「絶対に見間違いとかじゃないよ」

私「それって・・・」

菜々美「宮本も旦那も不倫しているんだ、もしかしたらお互いに分かった上でやってるかもしれないね」

私「じゃあ、宮本さんがお客さんから野菜の差し入れを貰ったというのも・・・」

菜々美「不倫してお金や品物を貢いで貰っているようだね」

菜々美「だから、宮本がターゲットにしているのはそれなりに収入が多い中年か財産を蓄えてそうな老人ってわけ」

私「不倫のイメージだと大抵は若い異性を相手にするものだと思ってました」

菜々美「確かに、一般的には男なら若い女にするかもね、でもね、女が男を狙うとなると話は別だね」

菜々美「若い男だと稼ぎに期待出来ない、不倫したところで収穫は少ないってわけ」