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投稿者:やおよろず やお (6)
「ええ、よく言えましたねw」
「それくらい追い詰められてたんだよ。まぁその後、その子は俺の前から姿を消したんだ…」
「ん?解決したじゃないっすか」
「あぁ。本当に見かけなかった。その子のことなんて忘れかけた頃だよ…
収録終わって、タクシーに乗って、自宅近くの住所言って、タクシーが動き出した時。ふと気がついたんだ。……運転手、女だったんだよ」
「……え?」
「女のタクシーって珍しいだろ?まぁそんなこと気にせずにいたんだが、バックミラー越しに目があった瞬間、背筋が凍ったよ。…あの子だったんだ。」
「うっわ…!」
「俺は思わず悲鳴をあげた。そしたら車が止まって、あの子は目ェギラッギラさせてこっち見て言うんや」
『私のこと、忘れてないよねェ』
「もう完全にパニックになった。やめろ、お前とは一緒になれん!勘弁してくれ!って叫んだんだ。そしたら、急にタクシーが止まってあの子が笑い出して言ったんだ。」
『大丈夫。もうあなたには興味ないから。
私ね、妊娠したの。……誰の子だと思う?
もうね、名前は決めたんだぁ。あなたと同じ名前。あなたと瓜二つの子供を産むの。楽しみだわぁうふふふふ…』
「そっから俺は限界超えて、無我夢中でタクシーから飛び出したんだよ。どう帰ったかも覚えてねえ。あれからあの子には会ってない。何十年も姿も噂も聞かなくなっちまった。ま、お前もいろいろ気をつけろよ」
「う、うっす…」
先輩はまた酒をグッと口の中に流し込む。
俺も気味の悪い話をかき消そうと酒を流し込んだ。
先輩は多分知らない。
実は俺、芸名を使って活動していて
俺の本名……先輩の名前と一緒なんだ。
それとな、
俺は片親なんだ。
まさか、な……。
( ゚д゚)
ママめっちゃヤベぇ人じゃないっすか…
ストーカーて執念がすごい…