ベテラン刑事菅沼の胸糞事件ファイル
投稿者:ねこじろう (138)
菅沼は続けた。
「たまに深夜を徘徊していた母親を探したりしていた女は、母親の徘徊するルートの目処がある程度ついていたのだろう。
そしてようやく失踪から1ヶ月めを過ぎて母親は見つかったんだ」
「どこで見つかったんですか?」
大島が菅沼の横顔に尋ねると菅沼は一つため息をついた後、また口を開く。
「俺は署員数人を伴ってから、女の自宅を訪ねた。
その日は日曜日にも関わらずご主人の姿はなく、俺は応対した女に逮捕状と家宅捜索状を提示すると、すぐに室内に上がり込んで捜索を開始する。
その間女は全く動じることもなく、平然とベランダで洗濯物を干していた。
まずは1階の部屋を手分けして見て回っていると「菅沼さーん!」と男性署員の声がする。
俺は男性の声のする方まで走った。
そこは廊下沿いの浴室。
奥にあるアコーディオン式のガラス戸が開かれていて、手前に立った男性署員が険しい顔で浴室を指差している。
そしてそこを覗き込んだ瞬間目の前には見るも凄惨な光景が広がり、背筋が凍りついた。
タイルの床にはあちこちどす黒い血痕が付着している。
そして浴槽の中には、頭部を切断されたワイシャツにスラックス姿の男性が横たわっていた。
切断部から漏れ溢れた血で、白いワイシャツは真っ赤に染まっている。
それから俺は二階に上がった。
まず手前にある寝室と思われる部屋に立ち入る。
途端に強烈な異臭が鼻をついた。
見ると壁際のベッドの上を数匹のハエが忙しなく飛び交っている。
いやな予感を感じポケットから出した白いマスクを付けつつベッドに近づいた途端、
背筋に冷たいものが走るとともに一気に朝食べたものが食道を逆流し、思わず口を押さえる。
ひっ!
隣に立つ若い女性の署員が小さく悲鳴を上げると、目を背けた。
食べたとき気づきそうだけど、髪の毛を混ぜ込んだパスタは想像するだけでキモ。
面白かったです。
コメントありがとうございます━ねこじろう