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呪い・祟り

ねこじろうさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

S村からの電話
長編 2024/09/01 07:58 18,356view
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そう言って村山さんは襖のところまで歩くと取っ手に手をかけ、スルリと開く」

※※※※※※※※※※

「鼻を突く線香の香り。

そこは居間と同じくらいの広さの薄暗い仏間。

その奥まったところには蝋燭と線香が灯された豪華な仏壇がある。

その前に正座する一人の男。

仲谷だ。

ワイシャツにスラックス姿で紫色の座布団に正座した彼の傍らには、アタッシュケースが開かれた状態で置かれている。

その中には様々な会社の商品が詰め込まれていた。

仲谷の正面にも同じ座布団が敷かれているが、そこには誰も座っていない。

ただその上辺りだけ、何故だか線香の白い煙がユラユラ漂っていた。

仏壇に掲げられた蝋燭の灯火が彼の姿を不気味に浮かび上がらせている。

恐らくは一昨日から水も食事もとっていないのだろう。

その横顔は青白く無精髭がポツポツ生えていた。

薬瓶を片手に血走った目で誰もいない空間に向かって懸命に喋っている。

口の端からは白い泡が垂れていた。

『ねっ、ばあちゃん悪いこと言わないから、この錠剤を一粒飲んでみてよ。そしたら明日から頭がスッキリはっきりするから、、ねっ、ねっ』

『おい、仲谷!』

村山さんはそう言って仲谷に近づくと、彼の肩に手をかける。

すると仲谷は怪訝な顔で村山さんを見上げ『オッサン、商売の邪魔すんなよな』と言い彼の手を払いのけると、再び喋り始めた。

すると村山さんは
『何やってんだお前、ほら、行くぞ!』
と仲谷を無理やり立ち上がらせる。

そして俺と二人で嫌がる彼を引き摺るようにしながら襖の方へと連れて行こうとしていた。

すると足がもつれたのか仲谷がよろよろ畳に倒れこむ。

それで再び二人で彼を立ち上がらせようとしていた時だった。

『うわあ』

突然背後を見て悲鳴を上げる村山さん。

8/10
コメント(3)
  • 怖かったですヽ⁠༼⁠⁰⁠o⁠⁰⁠;⁠༽⁠ノ

    2024/09/28/21:33
  • お祓いしてもらえばいいのに。

    2024/10/01/10:02
  • コメントありがとうございます。
    ━ねこじろう

    2024/10/04/09:07

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