夏休み
投稿者:那由多 (5)
短編
2024/08/31
16:50
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昭和のある夏の午後、小学生の3人兄弟が留守番をしていた。
突然、玄関先から読経が聞こえてきた。玄関のすりガラス越しに見えるのは、托鉢のお坊さんのぼんやりとしたシルエット。兄弟たちはその異様な雰囲気に息を呑み、玄関に釘付けになった。足がすくんで動けない。読経の声が低く響き渡る。
弟が震えた声で「ねえ、あのお坊さん影がないよ••」
すりガラスをじっと見つめた。恐怖のあまりその場から動けずにいた。
読経が止み「ビチャ」坊さんの顔がガラスにへばり付いた。
「影を奪われた者は次の影を求めて彷徨い続ける、次はお前たちだ!」
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