10号室:イレテヨ
投稿者:うずまき (21)
短編
2024/07/22
02:22
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ある夜。
玄関から聞こえる物音で目が覚めた。
不審に思いながらドアスコープから様子を伺う。
見知らぬ女が立っていた。
関わりたくなかったから特に相手もせずベッドへ戻る。
バサッ。
ガタンッ。
再び眠りに落ちかけた時、今度はベランダから音がした。さっきより随分激しい物音。
そっとカーテンを開けてみる。
そこにさっきの女が立っていた。真っ直ぐこっちを虚ろに見つめながら。
やがて勢いよくガラス扉に両掌と右頬を押し付け、薄ら笑いに紛れて呟いた。
「イレテヨ。」
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