かぷせるほてる
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/07/16
16:23
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ゆっくりと半身を起き上がらせ訝しげに入口方向を見た途端、はっと息を飲む。
カプセル入口前に人が立っていた。
この位置からは顔が見えないのだが、スラックス姿の腰から下の部分が見えている。
両足を肩幅くらいに広げて、私の方を向いて立っているようだ。
初めは上の段の人かと思ったのだが、その2本の脚はピクリとも動かず、ただじっとしている。
私は梶原だと思った。
というのは、目の前で立っているブルーのスラックスは、今日彼が履いていたものと全く同じものだったから。
ただ梶原がこんな時間にいったい何の用なんだ?
それで私は恐る恐る声をかける。
「か、梶原なのか?、、、
どうしたんだこんな時間に?」
私の声が聞こえたのか聞こえなかったのか、しばらくするとまた2本の脚はゆっくり廊下の方へ歩き出し、やがて視界から消えてしまった。
※※※※※※※※※※
「お客様!お客様!」
彼方から聞こえてくる呼びかけの声に、私は目を覚ました。
半身を起こし前方に目をやると、ホテルのスタッフらしき男が室内を覗き込んでいる。
「いったいどうしたんですか?」
私が眠い目を擦りながら問いかけると、
「就寝中、大変失礼いたしております。
実はお連れ様の梶原様が、、、
梶原様が大変なことになっておりまして、、」
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さすが、という内容でした。
面白かったです。
とく
お褒めの言葉、ありがとうございます
─ねこじろう
読みごたえ、ありました。
ありがとうございます
─ねこじろう
1ページ目の「そのビジネスホテルは駅のすぐそばだったから…」はカプセルホテルの間違いかと思います。
この話では駅前のビジネスホテルの一部フロアをカプセルとし、他のフロアは大浴場及びシングルダブルの一般のビジネスホテルフロアという設定にしたのですが。
━ねこじろう
「微唾みの泉」とは何でしょうか
知識不足ですいません..