そして誰もいなくなった
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/06/11
13:22
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少し古びたくらいで今もほとんど昔と変わっていない。
千鶴が玄関の呼び鈴を何度も押している。
しばらくするとポーチに電灯が灯り玄関の鍵を開ける音が聞こえると、ガラリと開いた。
白髪頭を7・3に分けた浅黒い顔の真結美の父、竜三が紺の作務衣姿で立っている。
「おお、よう来たねえ」
そう言って彼は嬉しそうな顔で千鶴の頭を撫でる。
それから3人はリビングのテーブルに座った。
「お父さん、ちゃんと生活出来てるの?」
真結美は目の前に座る父竜三に心配げに尋ねる。
「ああ、大丈夫ばい。お前こそ、ちゃんとやれとるとね?」
「大丈夫、大丈夫」
千鶴が大人びた口調で応えたので、真結美と竜三は揃って笑った。
そしてしばらく家族が互いに近況を話し、つかの間の沈黙が訪れた時だ。
突然千鶴が
「良かったあ、ばあば元気そうで」
と笑顔で言うと誰もいない正面を指差した。
隣に座る真結美も一緒に微笑んでいる。
その時サッと竜三の顔色が青ざめた。
そして珍しい動物でも見るような目で娘と孫の顔を交互にまじまじと見ると、
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ねこじろうさん頑張りますね
早速のコメントありがとうございます。
─ねこじろう
猫さん大好き
いつも応援してます。
このサイトも人がいなくなりそうで怖いです。もっと盛り上がってくれるといいんですが。
いつも応援ありがとうございます。
これから夏になると怪談シーズンですから、
盛り上がりますよ
─ねこじろう
同じようなサイトみかけましたよ